WOB 機能美マウスピース矯正

市販のマウスピースで歯並びは治る?矯正できない理由と正しい選び方

「歯並びが気になるけれど、矯正はお金も時間もかかりそう……」

そんな理由から、ドラッグストアや通販で販売されているマウスピースを見て「これで歯並びを整えられないかな?」と考えたことがある方もいるのではないでしょうか。

市販されているマウスピースにはいくつかのタイプがあり、歯ぎしり対策やスポーツ時の保護など、用途に合わせて販売されています。ただし、こうした製品の多くは、歯列を動かすことを前提に作られたものではありません。

この記事では、市販のマウスピースの種類や役割、そして矯正用マウスピースとの違いについて分かりやすく解説します。

市販されているマウスピースの種類

ドラッグストアや通販サイトでは、さまざまなタイプのマウスピースが手軽に購入できます。ただし、これらの多くは歯並びを矯正する目的ではなく、歯や口腔内を保護するための製品です。

ここでは、市販されているマウスピースの主な種類と、それぞれの用途について紹介します。

歯ぎしり・食いしばり対策用マウスピース

就寝中の歯ぎしりや食いしばりによる歯へのダメージを軽減する目的で使用されるマウスピースです。歯にかかる力を分散させることで、歯の摩耗や顎への負担を和らげる役割があります。

市販品の中には、お湯で柔らかくして自分の歯型に合わせて成形できるタイプもあります。

スポーツ用マウスピース(マウスガード)

ラグビーやボクシング、バスケットボールなど、接触の多い競技で歯や口腔内を保護するために装着するマウスピースです。衝撃を吸収し、歯の破損や口腔内のケガを防ぐ目的で使われます。

成形タイプのマウスピース

市販のマウスピースには、お湯で温めて柔らかくし、口の中で噛んで形を合わせる「セルフ成形タイプ」もあります。歯型にある程度フィットさせることができるため、「これで歯並びも整うのでは?」と考える方もいるかもしれません。

しかし、これらは歯を動かすために設計されたものではありません。

市販のマウスピースで歯並びは整えられる?

結論から言えば、市販のマウスピースで歯並びを改善することは基本的にできません。

市販品は、歯ぎしりの軽減やスポーツ時の歯の保護などを目的として作られており、歯を動かすことを前提とした設計にはなっていないためです。

歯科医院で行うマウスピース矯正は、歯並びの状態に合わせて計画的に歯を動かしていく治療ですが、市販のマウスピースには、このような矯正の仕組みは備わっていません。

ここでは、その理由をもう少し詳しく見ていきましょう。

歯を動かす設計になっていない

歯並びの矯正では、歯に対して適切な方向に、適切な強さの力をかけることが必要になります。

マウスピース矯正の場合も同様で、歯の移動計画に合わせて作られたマウスピースを段階的に交換しながら、少しずつ歯を動かしていきます。

一方、市販のマウスピースは歯を覆う形状のものがほとんどで、特定の歯に力をかけて移動させるような構造にはなっていません。そのため、装着したとしても歯並びを整える効果は基本的に期待できないとされています。

歯の移動には段階的な調整が必要

歯は一度に大きく動くものではなく、少しずつ位置を変えていく必要があります。

マウスピース矯正では、歯の動きに合わせて複数のマウスピースを作製し、数週間ごとに交換しながら段階的に歯を移動させていきます。

一方、市販のマウスピースは基本的に決まった形のものをそのまま装着する仕様になっています。歯の動きに合わせて形状が変わるわけではないため、矯正治療のように計画的に歯を動かしていくことはできません。

噛み合わせの調整ができない

歯並びを整える際には、見た目だけでなく噛み合わせのバランスも重要になります。

矯正治療では、歯の位置だけでなく上下の歯の噛み合わせも確認しながら治療計画を立てていきます。しかし、市販のマウスピースでは、このような噛み合わせを考慮した調整を行うことはできません。

歯並びは人によって状態が大きく異なるため、矯正を行う場合には歯並びや噛み合わせを総合的に確認しながら進めることが大切です。

市販マウスピースと矯正用マウスピースの違い

ここまで説明してきたように、市販のマウスピースと歯科医院で使用される矯正用マウスピースは、見た目が似ていても目的や仕組みが大きく異なります。

まずは主な違いを表で見てみましょう。

項目 市販マウスピース 矯正用マウスピース
主な目的 歯ぎしり対策・スポーツ時の保護 歯並びの矯正
設計 汎用的な形状 歯並びに合わせた個別設計
歯の移動 想定されていない 段階的に歯を移動させる
作製方法 既製品・セルフ成形 歯型や3Dデータをもとに作製
治療計画 なし 歯の移動計画に基づく

このように、市販のマウスピースと矯正用マウスピースは、そもそもの目的や設計思想が異なります。それぞれの違いについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

目的が大きく異なる

市販のマウスピースの多くは、歯ぎしりによる歯の摩耗を防いだり、スポーツ時の衝撃から歯を守ったりすることを目的としています。つまり、歯を保護することが主な役割です。

一方、矯正用マウスピースは、歯並びを整えるために歯を少しずつ移動させることを目的として作られています。見た目は似ていても、設計の考え方は大きく異なります。

歯並びに合わせた個別設計になっている

歯並びは人によって大きく異なるため、矯正用マウスピースは一人ひとりの歯並びに合わせて作製されます。歯型の採取や口腔内のデータをもとに、どの歯をどの方向に動かすかを計画し、その計画に沿ってマウスピースが設計されます。

市販のマウスピースは多くの場合、既製品として販売されており、汎用的な形状で作られています。セルフ成形タイプである程度フィットさせることはできますが、歯並びを変えるための個別設計にはなっていません。

段階的に歯を動かす仕組みがある

マウスピース矯正では、歯の移動に合わせて複数のマウスピースを使用します。少しずつ形状の異なるマウスピースに交換しながら装着することで、歯を段階的に動かしていく仕組みです。

一方で、市販のマウスピースは基本的に同じ形状のものを継続して使う仕様です。歯の動きに合わせて形状が変わるわけではないため、矯正治療のように計画的に歯を動かしていくことはできません。

市販マウスピースを矯正目的で使うリスク

市販のマウスピースは、歯ぎしりの軽減やスポーツ時の歯の保護などを目的に作られている製品です。そのため、歯並びを整える目的で使用しても、思うような効果が得られない可能性があります。場合によっては、口の中に余計な負担をかけてしまうことも考えられます。

ここでは、市販のマウスピースを矯正目的で使用した場合に想定される主なリスクについて解説します。

歯並びが改善しない可能性が高い

前の章でも触れたように、市販のマウスピースは歯を動かすことを前提に作られているものではありません。。そのため、長期間装着したとしても歯並びが整うとは限りません。

歯の移動には、適切な方向・強さ・タイミングで力を加えることが必要です。矯正用マウスピースは、こうした歯の動きを計画したうえで作製されますが、市販品にはそのような設計は施されていません。

その結果、「装着しているのに歯並びが変わらない」と感じるケースも少なくありません。

噛み合わせのバランスに影響する可能性

歯並びは、単に歯の位置だけでなく、上下の歯の噛み合わせとのバランスによって成り立っています。矯正治療では、見た目の歯並びだけでなく、噛み合わせの状態も確認しながら治療計画を立てていきます。

しかし、市販のマウスピースはそのような調整を前提としていません。装着することで一時的に噛み合わせが変わる場合もあり、違和感や噛みにくさを感じることもあります。

歯や歯ぐきに負担がかかる可能性

市販のマウスピースは汎用的な形状で作られているため、口の中の形状に完全に合うとは限りません。そのため、装着時に歯ぐきや歯に圧迫感を感じたり、特定の部分に強く当たったりすることもあります。

特に、無理に長時間装着した場合には、歯ぐきに負担がかかる可能性も考えられます。違和感や痛みを感じた場合は、無理に使用を続けないことが大切です。

自己判断で使用することになる

市販のマウスピースは、基本的に購入後に自分で装着して使用するものです。そのため、歯並びの状態や口腔内の状況に合っているかどうかを専門的に確認する機会がないことも多いです。

歯並びは人によって状態が異なり、見た目では分かりにくい問題が隠れている場合もあります。そのため、矯正を検討している場合は、歯並びの状態を踏まえて方法を選ぶことが重要になります。

矯正方法はマウスピースだけではない

歯並びを整える方法というと、「マウスピース矯正」を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、歯科矯正にはいくつかの方法があり、歯並びの状態や治療の目的によって適した方法は異なります。

ここでは、代表的な矯正方法の例を紹介します。

マウスピース矯正

透明なマウスピース型の装置を装着しながら歯を移動させる矯正方法です。装置が目立ちにくいことや取り外しができることから、近年選択されることが増えています。

ただし、歯並びの状態によってはマウスピース矯正だけでは対応が難しいケースもあります。

ワイヤー矯正

歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を装着し、ワイヤーの力を使って歯を動かす矯正方法です。長く行われてきた矯正方法で、幅広い歯並びのケースに対応できることが特徴です。

歯並びの状態によっては、ワイヤー矯正が適している場合もあります。

部分矯正

前歯など、気になる部分だけを整える矯正方法です。歯並び全体ではなく、限られた範囲を整える場合に選択されることがあります。

ただし、噛み合わせの状態などによっては部分矯正が適さない場合もあるため、歯並びの状態に応じた判断が必要になります。

矯正方法は歯並びに合わせて選ぶことが大切

歯科矯正にはさまざまな治療方法があり、歯並びの状態や治療の目的によって選択肢は異なります。また、どのように歯を動かすかという治療の考え方にも、いくつかのアプローチがあります。

その一例として、Worldwide Orthodontic Brains(WOB)が提唱する「機能美アライナー®」のように、見た目の歯並びだけでなく、かみ合わせの機能や口元全体のバランスまで考慮して設計される治療の考え方もあります。

歯の動きを医学的な根拠に基づいて計画し、段階的にコントロールすることで、無理な歯の移動を避けながら歯や骨への負担を抑えることを重視している点が特徴です。

現在、こうした考え方に基づく矯正治療を行う認定医院は全国に広がっており、お住まいの地域でも相談できる可能性があります。

まとめ

市販のマウスピースは、歯ぎしりの軽減やスポーツ時に歯を守ることなどを目的として作られている製品です。そのため、歯並びを整えるための矯正装置として使用することは想定されていません。

歯並びを整える矯正治療では、歯の動きを計画しながら段階的に歯を移動させていく必要があります。そのため、矯正用のマウスピースは歯並びに合わせて設計され、複数のマウスピースを交換しながら治療が進められます。

また、矯正方法にはマウスピース矯正だけでなく、ワイヤー矯正や部分矯正など複数の選択肢があります。歯並びや噛み合わせの状態によって適した方法は異なるため、矯正を検討する際には自分の歯並びに合った方法を選ぶことが大切です。

モバイルバージョンを終了